なぜ遺言書を書かないのか...?
大きく3つの理由があると考えていますが、
第3は、
各相続人の相続分は、法律で決まっているからそれでよい
というものです。
これは、前回の「相続については相続人どうしで話し合って」というのにも通じたものです。
確かに、現在の民法では相続人の相続分が規定されています(法定相続分)。
そして、現在の規定は、「均分相続」と言われるように、子(兄弟姉妹)の相続分は平等とされています。
「平等」だからいいじゃないか、もめることはない、ということなのでしょう。
しかし、ここには2つの問題点があります。
1つ目は、
相続財産をキレイに分けることが困難な場合が多い、という点です。
例えば不動産の場合には、法定相続分どおりの持分で相続登記をすれば、見た目は平等に相続しています。
しかし、それ以外の財産、例えば現金とか、有価証券(株式)がある場合などは、なかなかそういうわけにはいきません。
もう1つは、
法律上の「平等」が、実際上の「平等」なっているのか、という点です。
親としては、子ども(兄弟姉妹)は平等に扱ってきた、と思っていても、実はそうでない(そうは思われていない)ことがあったりします。
その違い(違っている、という思い)が、不平不満につながることがあります。
生前、他の兄弟姉妹はいろんな財産的優遇を受けているのに、相続となったら平等かよ、ということになってしまいます。
遺言は、この「実質的な不平等」を緩和する役割を担っています。
この点から遺言を考えると、遺言書を書く場合には、それぞれの子どもに対してやってきたことを(平等に扱ってきたという前提を抜きにして)見つめ直すことが必要になります。
「気持ちを伝える遺言」の前提として、相続人の気持ちを考えるということが重要ですが、そのためにも、振り返ってみるということも重要だと考えています。
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