2016年5月24日火曜日

信託銀行における「遺言信託」とは(前編)

最近は、信託銀行のみならずその他の銀行等でも「相続相談」などと宣伝をしているところを見かけます。


そのような中、信託銀行が行っている「遺言信託」」というサービスについて簡単に説明しておきます。

「遺言信託」と、‘信託’という文言を使っているところから、なんとなく安心して任せる、というイメージがあります。


しかし、この「遺言信託」というのは、本来の「信託」とは違うものである点や、その他に注意をしておいてほしい点があります。


まず(信託法における)「信託」とは、簡単にいうと、自分の財産を、第三者(又は、自己)のためにある信頼・信用(trust)できる者、管理してもらう制度をいいます。


非常に簡単な例で説明しますと、

Aさんには障害を持った子Bがいて、Bは仕事ができず、契約する能力(自分の財産を管理する能力)もない。
Bさんが生活していく上で、Aの介護のみならず、財産管理等も必要である。
もし、Aさんが亡くなれば、誰がそのようなことをしてくれるのか?

というような場合に、法定後見人をつけるという方法もありますが、財産管理について「信託」制度を利用することが考えられます。

つまり、Aさんは、自分の死後は信頼できるCさんに、Bさんの利益のために財産を管理してもらうこととし、その財産をCさんに移転する、ということをするわけです。

Cさんは、Bさんの利益のため、Aさんから預かった財産を管理する、ということになります。


ところで、
「投資信託」というのがありますが、これは、上記の例でいうと、Aさんが、自己の利益のために、信頼・信用できるCさんに財産を預け、管理(投資)してもらい、その利益は自己(Aさん)が受ける、という形になります。


「信託」においては、概ね登場人物が3者になるのですが、

 A(委託者)からC(受託者)に財産が移転する
 C(受託者)は、B(受益者)のために財産の管理・処分を行う
というのが基本スキームになります。


(「中編」に続く...



余談ですが、ダスティン・ホフマンとトム・クルーズが主演した「レインマン」(1988年)という映画は、遺言や信託をテーマにしたものです。そういう観点から改めて見てみてはいかがでしょうか?


遺言書作成、相続手続きのご相談やご依頼はこちらのフォーム、又はメールからお気軽に。
メールアドレスは、ホームページでご確認ください。

#行政書士 #枚方 #寝屋川 #大阪 #遺言 #相続
#遺言信託 #信託 #トラブル #公正証書遺言 #財産管理 

0 件のコメント:

コメントを投稿