2014年11月5日水曜日

相続をめぐる、3つの視点(あるいは、3つのファクター)

相続にあたって、それに関与する方々の視点(あるいは、考え方のもとになっていること)には、大きく3つあると考えられます。

・ 法律
・ 気持ち
・ 伝統あるいは慣習

そしてこれらの3つは、それぞれに絡み合っています。

「法律」とは、例えば法定相続分や遺留分といったことが、相続人にとっての「期待感」につながります。
親の財産がこれだけで、相続人は〇人だから自分の相続割合は△分の1で、□□万円くらいは相続できそうだ、と思うわけです。

「伝統や慣習」とは、例えば祭祀(お墓やお仏壇など)の承継のことが考えられます。宗教・宗派によっても違うと思われますし、地域によっても違う場合もあるでしょう。(たとえば、沖縄の「門中」など。)
また、日本には「(〇〇家は)長男が継ぐ」(長子相続)という観念が根強く残っています。
戦前の民法においては、「家督相続」という制度で観念と法律とが一致していたと考えられますが、戦後の改正で家督相続という概念はなくなってしまいました。
簡単に言えば、財産の相続と、祭祀の承継とは別のものである、とされているのです。
ここにも、気持ちが複雑に絡み合う原因があると考えています。

法律や伝統・慣習によって決められる相続。
さらに、法律や伝統・慣習に絡めて、あるいはそれらを背景とした気持ちが大きく影響する相続。


遺言書を書く際には、このようなこともちょっと考えてほしいなぁ、と思います。

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